レジリエンスを高める7つの技術│④「自分の強み」を活用しよう!

日々のストレスやプレッシャーと上手に付き合う方法として「レジリエンスを高める7つの技術」の連載をしています。

前回は、3つ目の技術「自己効力感を高める技術」の詳細を解説しました。

それでは今回は、4つ目の技術「自分の強みを活用する技術」についてご紹介します。

レジリエンスとは
全米心理学会によると「逆境や困難、強いストレスに直面したときに適応する精神力と心理的プロセス」と定義されています。

「レジリエンス」を高める目的は、強いストレスを感じても柔軟に受け流し、打たれても立ち上がる逆境に強い心を育てることです。

目次

「強み」とは何か?

「強み」と聞くと、他の人より優れた能力など、比較対象と比べて優れた点・長所をイメージする方が多いと思います。しかし、心の領域では、「その強みを使うことで、精神的エネルギーが高まり、やる気が高まるもの」のことをいいます。

私たちは自分の足りない点や弱みには敏感ですが、強みには気づきにくいため、実際に自分の「強み」を認識している人は少ないと思います。

私自身も、自分の強みをなかなか把握できていなかったです。強みを知っておくこと、理解して言語化することは非常に重要で、例えばいざ転職をしようと思った時にも役に立ちますので、ぜひこの記事を参考にみなさんが強みを見つけることができれば嬉しいです。

自分の強みを発見する方法

自分の強みを見つけると言っても、どう見つければいいのかわかりませんよね。それに自分の強みをきちんと理解できている人も少ないのではないかと思います。

そこで今回は4つの手法で自分の強みの見つけ方をご紹介します。

(1) 自分自身で発見する

これまでの人生(仕事)の中で「最高だった」「自分が輝いていた」「生き生きしていた」と思う瞬間を思い出し、

①いつ
②どこで
③どんなことに取り組んでいたか
④何がどう最高だったのか
⑤そこでは自分はどんな強みを発揮していたと思うか

を、次の【24の強みの分類】を参考に選んでみましょう。(いくつ選んでもOKです)

【24の強みの分類】

好奇心:何にでも興味を持つ

向学心:熱心に学び続ける

誠実さ:まっすぐ取り組む

勇敢さ:勇気を持って立ち向かう

思いやり:人のために行動する

愛情:人との絆を大切にする

リーダーシップ:チームをまとめる

チームワーク:人とうまく協力する

思慮深さ:何事もよく考えて動く

自制心:自分の気持ちや行動をコントロールできる

希望:明るい未来を感じる

ユーモア:遊び心を大切にする

創造性:新しいことを考え出す

大局観:広い視野で全体を見る

熱意:いつでも全力で取り組む

公平さ:みんなに平等に接する

謙虚さ:自分だけ特別とは考えない

感謝:感謝の気持ちを忘れない

柔軟性:状況によって判断を変えいろいろな物の見方ができる

忍耐力:我慢強くあきらめない

社会的知性:周りを気違い立ち回る

寛容さ:人の失敗を責めない

審美眼:物事の素晴らしいところを見つけられる

スピリチュアリティ:目に見えない力を信じる。信念を持って行動する

【参考文献:強み診断ツール「VIA -IS」The School of Positive Psychology】

(2) 「ストレングスファインダー」での発見

「ストレングス・ファインダー」という書籍はご存知でしょうか?
この本は、書籍を購入するとオンラインで177個の質問に答えることで自身の強みを34個の資質の中から導き出してくれるIDが付録でついています。中古の本ではIDが付いていたとしても使用されている可能性が十分考えられますので、新品の書籍を購入するように注意してくださいね。

ストレングスファインダーとは、米国ギャラップ社の開発したオンライン「才能診断」ツールです。そこでは「才能」とは、『無意識に繰り返し現れる思考、感情、行動のパターン』、すなわち、自分の思考、感情、行動の「特徴」そのものが「才能=強みの元」だと述べられています。

書籍を購入すれば、34個の資質の中の上位5つを導き出してくれます。そして、それぞれ個人個人に合った解説が記載されています。また深く理解するためにも書籍を読んでみてもよいでしょう。

(3) 他者との会話からの発見

職場の同僚や上司、友人に、「自分の強みはなんだと思いますか?」とストレートに聞ける人間関係ができている方でしたら、直接聞いてみるのがいいでしょう。しかしそのように直接聞くことができる方ばかりではないと思います。

そんな時に有効なのが、職場の同僚や上司、友人との会話の中から、「ありがとう」とどういう時に言われたかを詳細に思い出してみましょう。

強みを直接普段の生活の中で他者に伝えてくれる人は少ないと思います。この「ありがとう」という言葉は、自分の強みにつながってきます。例えば、資料を素早くまとめてくれて「ありがとう」、みんなが発言しやすい雰囲気を作ってくれて「ありがとう」と言った具合です。

この「ありがとう」という言葉の背景に着目すると、自分の強みを知ることができると思います。何気ない会話のなかでも知らず知らず「ありがとう」という言葉は使われていますので、よく思い出してみてください。

(4) 強みを共有してみよう

発見した自分の強みを友人、家族、などのコミュニティで共有してみましょう。自分自身で発見した内容のを話し、聞き手は話し手の強みを聞いて思ったことや、聞き手が思っていた話し手の強みや長所をできるだけたくさんフィードバックしてあげましょう。

新しい自分の強みを発見できるかもしれませんし、自分では当たり前だと思っていたことが他者から見ると強みであることが多々ありますので良い気づきの場になることでしょう。

強みを活かしてみよう

自身の強みを活用して物事に取り組むことはを自己肯定感を高める効果が期待できます。

自己肯定感とは、自分の人格を大切にする気持ちであり、また自分の思想や言動などに自信を持つことを意味しますが、自己肯定感が高まってくると、辛い時でもポジティブ思考になり前向きな評価を保ち、困難なときでも「自分は大丈夫」と感じる心の強さを保持することができます。

また、強みを活かすことを自分のためだけではなく、周囲の人や家族などのために活かすことができると、より充実感を感じられます

それが習慣になってくると、幸せ感が高まり、普段の生活の中で活力が生まれ、ストレス耐性ができ、不安や心配などの抑うつ症状が軽減するという利点があることも分かっています。

職場の中でも強みを活かした仕事を率先して実行し、満足感も得られるようになると思います。また「やればできる」、「小さな目標の達成」を味わうことで、前回の記事でご紹介した「自己効力感」も効果的に高めることができます。

まとめ

このように今まで紹介してきたように自分の「強みを知ること」は様々な場面で活かすことができます。

強みを自分自身で認知し、言語化することは容易ではないかもしれません。しかし、みなさんの内面にも必ずいくつかの「強み」が内在しており、自分にとっては当たり前にできていることも、他人から見ればそれが「強み」になっているということがあります。

自分自身の強みを発見し、強みを活かせる方法をぜひ考えてみてくださいね。

次回は、【技術5】ソーシャル・サポート(心の支えとなる存在)を持つ技術をお伝えします。

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