レジリエンスを高める7つの技術│③「自己効力感」を高めよう!

日々のストレスやプレッシャーと上手に付き合う方法として「レジリエンスを高める7つの技術」の連載をしています。

前回は、2つ目の技術「思い込みを手なづける技術」の詳細を解説しました。

それでは今回は、3つ目の技術「自己効力感を高める技術」についてご紹介します。

レジリエンスとは
全米心理学会によると「逆境や困難、強いストレスに直面したときに適応する精神力と心理的プロセス」と定義されています。

「レジリエンス」を高める目的は、強いストレスを感じても柔軟に受け流し、打たれても立ち上がる逆境に強い心を育てることです。

目次

「自己効力感」とは何か?

自己効力感とは、「自分は困難を乗り越えることができる」、「自分は現状を変えることができる」など、ある状況下で自分は結果を出すために適切に行動する能力を持っていると信じられることを指します。

「効力感」という「根拠のある自信」を身につけることが大切です。

自己効力感が高い人は困難や失敗、壁に打ちあたっても目標達成への意識が強く、チャレンジする意欲が高かったり、比較的早く立ち直って切り替えることができる傾向があることが研究で証明されています。

この「自己効力感」は生まれ持った性格ではなく、過去の経験の積み重ねや考え方を身につければ誰にでも高めることができる後天的なものです。

【自己効力感が高い人の特徴】

①失敗をしても比較的早く自信を取り戻す、気持ちの切り替えができる

②思わぬ困難に直面しても、上手く対応することができる

③難しい問題に直面しても複数の解決方法を見出しチャレンジすることができる

④ストレスへの対応力が高く、ネガティブ感情になることが少なくなり、なってもすぐに立ち直ることができる


一方で「自己肯定感」という言葉もよく耳にすることがあると思います。よく似ている言葉ですが、意味は異なります。「自己肯定感」とは、自分を肯定する考え方です。様々な自分を認め、ポジティブに捉えられる人は自己肯定感が高い人です。

あなたの「自己効力感」を確認してみよう!


次の16個の質問に答えてみてください!
「はい」「いいえ」に〇をつけて、最後に合計点を出してみましょう。

質問はいいいえ
何か仕事をするときは、自信を持っ てやるほうである。10
過去の失敗や嫌な経験を思いだして、暗い気持ちになることがよくある。01
人より優れた能力がある。10
仕事を終えた後、失敗したと感じることのほうが多い。01
人と比べて心配性な方だ。01
何かを決めるとき、迷わずに決定する方だ。10
何かをするとき、上手くいかないのではないかと不安に思うことが多い。01
引っ込み思案な方だ。01
人より記憶力が良い方だ。10
結果の見通しがつかない仕事でも、積極的に取り組む方だ。10
どう物事を進めたらよいか決心がつかずに行動が止まってしまうことがよくある。01
友人よりも特に優れた知識を持っている分野がある。10
何事も積極的に進める方だ。10
小さな失敗でも他人よりずっと気にする方だ。01
積極的に行動するのは、苦手な方だ。01
社会に貢献できる力があると思う。10

結果を見てみましょう!

【総合計点(「はい」と「いいえ」の点数の合計)であなたの「自己効力感」をチェック!】

 低いやや低い普通やや高い高い
男性4
以下
5~
8
9~
11
12~
15
16
女性3
以下
4~
7
8~
10
11~
14
15
以上
参考文献:一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)(板野,東條,1986)

ちなみに適応障害を経験したことがある私の得点は、「6点」とやや低い結果でした。自己効力感を高めるために、みなさんと一緒に少しずつでも根拠のある自信を身に付けて行きたいと思います!

「自己効力感」の高め方

次の4つの方法を実践してみて「自分ならやればできる」という根拠のある自信感情を一緒に育てていきましょう!

(1) 小さな目標の達成を繰り返す 

「自分ならやればできる」という感情を育てるには、目標の達成を何度も経験し、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。

「小さな」目標の達成が重要なポイントです。ハードルが高くて乗り越えられない目標ですと逆に自信をなくして、挫折感を味わい、自己効力感の向上にはつながらず、逆効果となってしまいます。一方で「低すぎる」目標も良い目標設定ではありません。こんな目標だったら、誰でも達成できて当たり前だと感じてしまい、成功体験だと認識できません。

今の自分に合ったちょっと背伸びをしたらなんとか届くかなというくらいの目標を設定し、それを達成していくことを積み重ねていくことで自己効力感を高めることができます。

(2) お手本となる人を見習う

憧れのかっこいい上司や先輩など、スキルや能力を持っている人をロールモデルにすることで「自分もあんな風になれるかも」という想像をしてみることも良いでしょう。身近にそのような人がいない場合は、好きなスポーツ選手や芸能人を想像してなり切ってみるのもいいと思います。

ルックスだけに注目するのではなく、考え方、生き方を参考にしてみましょう。例えば、野球のイチロー選手のマインドは、かっこいいですし、書籍やインターネットで調べれば、イチロー選手の考え方を少しでも自分にインストールすることができると思います。

(3) 励まし

上司、同僚、家族や友人から励ましやお祝いの言葉をかけてもらえると自信が湧いてくると思います。またそのような人が身近にいると、落ち込んだ時も早く自信が回復しますし、自己効力感の向上そのものが早くなります。

私の場合は、家族の存在がまさにこれに当たりました。同居している妻に仕事の話をして、些細なことでも「頑張ってるね!」「その仕事大変そうなのによくやっているね」など言ってもらえると、気分が高まるのを実感します。遠く離れた実家の親とも電話をした際などもあえて褒めて貰えるように話をしたりします。自分で褒めてくれると分かっていても、いざ褒められたり励まされたりするのはやっぱり嬉しいものです。ぜひ試してみてください。

(4) 雰囲気を変える、気分転換をする

ネガティブな感情になってしまった時は雰囲気をガラッと変えて意識的に高揚感を出してみましょう。好きなアーティストの音楽を聴いたり、新しい靴を履いたりするとテンションが上がりますよね。

私はルームフレグランスを使って気分を変えています。リフレッシュしたいなと思った時は柑橘系のフレグランス。落ち着きたいなと思った時は、それ用のルームフレグランスを持っています。アロマオイルでも、お香でもいいと思います。

まとめ

心が折れそうになったとき、自信を立て直すときに必要なものが自己効力感です。

自己効力感は、レジリエンス(困難な状況から立ち直る力)を高めるためにも重要な心のあり方です。

みなさんが普段の仕事や生活で今回紹介した内容を参考にして、自己効力感を高めることができれば嬉しいです。

次回は、【技術4】自分の「強み」を活用する技術をお伝えしますね。

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