私は、約3年前に適応障害と診断され、会社を休んだ経験があります。
その時の体験を今回お話したいと思います。
現在、適応障害や、鬱症状に悩んでいる人に少しでも何か感じてもらえれば嬉しいです。
悪循環から食事が摂れなくなった適応障害の初期
適応障害と診断される前、異動辞令がでて引継ぎもない中、炎上している客先へ放り込まれました。仕事がわからないため、もちろん仕事が進まずどんどん仕事は溜まっていく毎日。客先だけではなく関係部署とも上手く連携できず、適応障害へ足を踏み入れることとなってしまいました。
この頃、仕事の終わる時間は22時を超えるのは当たり前。終電を逃したことも度々あるというような生活でした。普段は同僚と会社周辺の食堂などに昼食をとりにいくのですが、忙しさから昼休憩のご飯を抜いて仕事を行うこともしばしば。家に帰ってもお風呂に入ってそのまま就寝する毎日。しかも何度も朝方に起きてしまう、まさに悪循環な状況でした。
そんな毎日を送っていた中、いつの間にか昼ごはんを食べる時間はあるのに、どうしても私の適応障害の症状の一つであった「吐き気」によりご飯が食べられなくなってしまいました。食欲よりも吐き気が勝ち、睡眠もままならない状況だったため、その時の昼休憩はずっと寝ていました。このようになってから、私の体重は2ヶ月で約7キロ痩せてスーツのベルトの穴も1つ分変わっていました。
この頃ようやく「やばいな」と思い、心療内科を受診しました。
回復のきっかけは妻の握ってくれた「おにぎり」
適応障害と診断されて不安を和らげる薬を飲んでも、なかなか食欲は回復しない日が続きました。もともと朝食は食べない生活でしたので実質食事は夜ご飯のみでした。その夜ご飯も、健康な時と比較して食べられる量は少なかったです。
休日も、体が重く家のソファーでぐだぐだ寝転んでばかり。そんな週末を過ごしていたある日のこと、テレビのグルメ番組で紹介されていた焼肉やケーキ等の食べ物を見ても全くなんとも思わなかった私が、おにぎり専門店のおにぎりが紹介された時とても美味しそうに感じ、「おにぎりが食べたい」しかもコンビニで売っているおにぎりではなく、海苔もパリパリではなくご飯に張り付いてふにゃふにゃになったおにぎりが無性に食べたくなりました。
幼い頃遠足で食べた、お母さんが握ってくれたような人が握ってくれたおにぎりが食べたくなり、妻におにぎりを仕事に持っていきたいとお願いして、週明けから作ってもらうことにしました。
初めは小ぶりなおにぎり1つ。具は焼いてくれた鮭のほぐした身でした。いつもは寝ていた昼休憩でしたが、その日は少しわくわくしながらおにぎりを食べました。
一口食べた時、なんとも言えない懐かしい感じと、ちょうどいい塩加減。鮭もいっぱい入っていて、とっても美味しく感じた時のことは、今でも鮮明に覚えています。海苔もふにゃふにゃでまさに「食べたい!」と思ったおにぎりそのものでした。
それからというもの、毎日のように妻におにぎりを握ってもらって会社に持っていくようになり、だんだんと食べられるご飯の量が増えていきました。
これがきっかけで、ご飯が食べられないという状況から脱却しました。嫌な顔せずに毎日のように具を変えておにぎりを握ってもらって本当に妻には感謝しかありません。
ご飯が食べられるようになると、やっぱり幸せ、充実感を感じられるようになりました。
この「妻が握ってくれたおにぎり」が、適応障害から回復するきっかけになったと言っても過言ではないくらい、とても私は助けられました。
悪循環を断つ、何かきっかけを見つけよう
私の場合は悪循環を断つきっかけは「妻が握ってくれたおにぎり」でした。このきっかけは人それぞれだと思います。
辛い日々の生活の中で、「これ食べてみたい」「あ、これなんだか面白そう」「ここに行ってみたい」と思える何かを発見できると、もしかしたらご自身の悪循環を断つきっかけになるかもしれません。鬱症状の時は、やる気は一切出ず、体も重くて動かない、という状態だと思いますが、テレビやスマホでなにか「きっかけ」を見つけられるといいですね。
ただ、自分の経験的にSNSはあまり見ない方がいいと思います。キラキラした写真や投稿があふれていますので、それを見るだけで気分が落ち込んでしまうからです。そう言った意味ではテレビや、スマホのニュースアプリ等がいいかもしれません。
また、自分オリジナルのストレス対処法を片っ端から実践してみるのもいいですね。
まとめ
適応障害や鬱病になってしまうと、どんどん悪循環の渦に飲み込まれてしまいます。その渦から抜け出す「きっかけ」をみなさんも見つけられることを祈っています。
今、辛い思いをしている人が、この記事を読んで、少しでも「きっかけ」の見つけ方を知ってもらい、今の状態から良い方に向かう人がお一人でもいらっしゃれば幸いです。