心の風邪「適応障害」とは? 体験談を交えて初期対処法を解説

仕事のストレスでしんどいな、人間関係がうまく行かずに最近落ち込み気味だなと思うことはありませんか?

私は重度の「うつ病」までにはならなかったものの、「適応障害」と心療内科で診断されました。

そんな私が今、同じ異変を感じている方にお伝えしたいことを、体験談を交えて少しでも皆さんのお役に立てればと思い、話していきたいと思います。

目次

「適応障害」とは?

適応障害とはどのような病気なのでしょうか?

適応障害とは、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。

たとえば憂うつな気分や不安感が強くなるため、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします。

原因となるストレスは生活の中で起こるさまざまな変化です。
例えば進学、就職や転職、結婚や出産、引っ越しなど喜ばしいと思われる出来事も含まれ、これらも知らず知らずにストレスを引き起こす原因となっています。

適応障害になった経験談

私は、以前「適応障害」と心療内科で診断されました。その時に私が経験したストレスやその環境についてお伝えします。

当時私は20代後半で、いわゆる誰もが知っている大手企業のメーカーで非常に楽しく仕事をしていました。その時の仕事は3年間、自社製品の広告宣伝や製品企画をしていました。

そんな順風満帆な社会人生活を送っていた私に、営業部への異動の辞令が出ました。

そこで前任者からほとんど引き継ぎもなく、客先へ放り込まれ、受注活動や、生産調整、年度計画の立案と、全く仕事の流れがわからず、助けを求めても上司も仕事の内容を理解しておらず、日々長時間残業が続きました。そんな状況で、絶え間なく客先や各関係部署からの問い合わせやクレーム対応をしていた時、ついに心の糸がプツンと切れてしまいました。

自分はそんなことには無縁だと思っていたので、まさか自分が!?と非常に動揺してしまいました。

自分の身体に起きた異変

私がちょっとおかしいなと異変を感じ出してから、どのような症状が出たのかご紹介します。

夜中に何度も起きてしまう

朝、7時に目覚ましをセットしておいても、深夜2時頃から約2時間おきに目が覚めてしまいました。目が覚めてもすぐに時計を確認して「まだ起きるには早いな」と思い、再び寝ます。

こういった経験は会社勤めの人には、たまに経験することがあるのではないでしょうか。

食欲がなくなる

元気な頃と比べて急に食欲がなくなりました。特に昼食が食べられなくなりました。睡眠不足もあり、とにかく昼休憩の時間は睡眠に当てたいと思うようになりましたし、食事を取ろうとしても、すぐにお腹が満たされて完食することができなくなりました。

夕食についても、昼食に比べて食べられますが食事の量は減っていきました。

朝、吐き気がする

朝、仕事に行くために身支度をします。私は特に顔を洗ったり、歯磨きをした時に吐き気を強く感じました。

動悸がする

普段の生活の中では心臓の音は意識しないですよね?

それが、急に「ドキドキ」と動悸を起こすことがありました。

動悸とは、心臓の拍動が自覚される症状です。 心臓が強く脈打ったり、ふるえたり、激しく鼓動したり、脈が飛んだりするように感じられることがあります。 胸の不快感や息切れなど、ほかの症状が生じることもあります。

身体が動かない

頭では会社に行かなきゃと分かっているのに、ベットに身体が張り付いて重りが乗っているかのように、心で思っていることと身体の反応が一致しなくなりました。

ベットから這うように携帯電話で上司に休みの連絡をしたことをよく覚えています。その日は一日中寝ていることがほとんどでした。

電車に乗っていられない

頑張って身支度を終えても、電車に乗ると気分が悪くなってしまって乗り続けることができないということもありました。

だんだん職場が近くなってくるという不安感や、満員電車という密閉空間で空気が悪いという環境もあったかと思います。

途中下車してしまい、ベンチで休んで職場にフレックスで出勤する旨を連絡したことはたびたびありました。

もしかしてメンタルが弱っているかもと思った時は?

人によって私のような症状が出る人、出ない人いるかと思いますが、普段の自分とはちょっと違う、なんだか不安、気分が落ち込むなと感じた時は、まず相談をしてみることが一番だと思います。会社の健康保険組合のホットラインに匿名で電話してみたり、お住まいの自治体の「こころの健康相談」窓口に相談することをお勧めします。

誰かに相談をするだけでも落ち着いたり、「自分のストレスにちゃんと気づくこと」ができます。自分のストレスのことは自分が一番わかっていると思われるかもしれませんが、実際には、ストレスに悩む人のほとんどが、自分の心がどれだけ負担を感じているかを正確に把握できていません。

風邪ひいたかなと思ったくらい気軽にまずは相談してみることがいいと思います。精神科、心療内科に行くとなると心理的ハードルが高くなるかもしれませんが、適応障害やうつ病になってしまうと完治するまでに年単位の時間がかかってしまう人もいますので早めのケアが重要だと思います。

自分だけじゃない、意外と多い患者数

私は会社の健康保険組合のホットラインに匿名で電話して、心療内科の受診を勧められて受診するようになりました。ここで驚いたのは、やっと5つ目の病院に電話をかけて予約が取れたことです。心療内科は予約制が多く、どの病院も予約でいっぱいでした。こんなに苦しんでいるのは自分だけではないんだなというちょっとした安心感を感じたことを今でも覚えています。

また、家族や仲の良い友人に相談してみると、意外とあの人も心の問題で会社に行けてない時期があったよというように、知らないだけで身近の人も少なくとも私の場合は4人もいました。

まとめ

まさか自分が心の問題を抱えるとは全く思っていなかった私ですが、どんな人でもストレスが続けばメンタルは弱ってしまうと思います。まずは自分がどれだけストレスを感じているか気づくためにも、早めに専門機関に相談だけでも行うのがいいと思います。

私自身、自分だけで解決することは難しいと実感しましたし、症状が酷くなると治すにも時間がかかるため、早めの受診をお勧めします。

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