自粛疲れとイベントの変化
2020年は新型コロナウイルスの登場により、私たち人類にとって特別な年になりました。
こんな事態、去年の今頃に誰が予測していたでしょうか。
あらゆるイベントや集会は延期・中止を余儀なくされ、個人の生活も窮屈になるにつれて「自粛疲れ」という言葉まで誕生しました。
今では少しずつ街に活気が戻りつつありますが、やはりイベントごとには変化が起きているようです。
毎年物議を醸す渋谷のハロウィン。
今年はこれといった事故も騒ぎもなく過ぎてゆきました。
一方、インスタグラムでは少人数グループでのんびりと仮装や季節限定スイーツを楽しむ様子が多く見られました。
皮肉なことに、コロナ禍によって数年ぶりに穏やかなハロウィンが訪れたのです。
季節のイベントは忙しい毎日から抜け出す絶好の機会
季節のイベントを穏やかに楽しむということは、セルフケアに大きく貢献すると考えられます。
「その時期ならではの空気」という非日常感により、日々の雑務から視覚的にも聴覚的にも抜け出せます。
そして「穏やかに」楽しむことで、その幸福感が深く深く自分の中に浸透するためです。
実はこの「穏やかに」というのがポイント。
例年のパーティーや忘年会、新年会では、なんだかんだとあっと言う間に時間が過ぎていってしまうことも(もちろん、そこにもワクワクや興奮はあるのだけれど!)。
でも今年のコロナ禍では、たっぷりと自分に時間をとってあげる良いタイミングともいえるかもしれません。
自分と向き合い、活力を得る“内省”の時間
さて、ここでひとつ“内省”という言葉についてです。
「内省」とは、自らの気持ち、考え、行動を振り返り、理解を深めることを言います。
内省の大事な点は、反省とは違い、成長や良い部分もしっかりと見つめることにあります。
それにより自信を強め、またさらに良い状況へと結びつくヒントが見えてくるのです。
この内省という行為は、①穏やかな一人の時間や②大切な人たちとのゆったりとした会話によって多くなされます。
また、日常とは違う景色や行動が新たな視点をもたらすことも。
そういった意味で、コロナ禍での穏やかなイベントごとは内省にもってこいの時間といえるでしょう。
内省に適した時間の過ごし方
・いつもより丁寧にクリスマスやお正月の飾りつけをしているとき
・ピカピカに掃除した部屋でひとり大好きな映画に浸っているとき
・今年は実家に帰らず、家で書初めをしてみようかと墨の香りをかいだとき
・ただただ何もせず、海を漂うような気持ちでいるとき
今年一年の頑張りや様々な思いが内省され、心が満たされてゆくでしょう。
自分へのご褒美に高価な買い物をするのに負けないくらい、贅沢な気持ちをもたらしてくれる時間がそこにあるように思います。
臨床心理士 Haru