【臨床心理士に聞く】「心の病気」との向き合い方|周囲の接し方も解説

【質問1】どのタイミングで病院に行けばいいの?

症状の重さの医学的な判断に関わらず、本人がつらいと感じているのは事実。なので、つらいと感じたら、まずは相談にいく、というくらいの思いで受診して大丈夫です。

薬を処方されるレベルでなくても、話を聞いてもらえたり、生活上のアドバイスを貰えたりするでしょう。薬はまだ飲みたくないというのであれば、それも率直に伝えてみてください。一度受診しておくと、顔合わせのような機能を持ち、いざというときに改めて相談しやすいという利点もあります。

個人的な見解ですが、町のクリニックにかかるときは沢山の科を謳っていないところがおすすめです。「精神科」とか、「メンタルクリニック」とか、それだけを専門にしている場所の方が丁寧に見てくれるでしょう。また、心療内科より精神科の方がじっくり相談に乗ってくれると話す患者さんも結構いらっしゃいます。

【質問2】心の病気は寛解するの?

うまく付き合っていく、という考え方が良いかもしれませんね。

例えば、鬱(うつ)は、よく心の風邪と例えられます。風邪をひくと身体には免疫ができます。その免疫力を上回って再び風邪菌が入ってしまわないように、手洗いうがいをしたり、食事をしっかり取ったりします。

心も同じです。不調になったらしっかり療養する。調子が戻ってきたら、療養で獲得した対処スキル(=免疫)をキープしましょう。

具体的には、

・整った生活リズム
・無理のない範囲の仕事量
・相談相手がいること

などを続けていければ、ストレスが免疫を上回り再び不調が訪れることを、できる限り避ける事が可能でしょう。

そうやってうまく付き合っていく事が、寛解といえると考えます。

【質問3】心の病気はどのくらいの期間で治るの?

完全に個人差があります焦らない、というのがポイントですが、焦る気持ちもよーく分かります。なので、主治医や心理士にその焦りを率直に伝え、見通しを知りたいと依頼してみましょう。

医師にも心理士にもある程度見通しを示す人はいますし、何よりその気持ちを共有できるのはとても重要なことです。

【質問4】心の病気の初期症状は?

じわじわと辛さが進行する場合もあるし、ある出来事をきっかけに急に激しく症状が現れることもあるので、これも一概には言えません。

ただ、

・今までできていた事ができなくなった

・大好きなはずの趣味が楽しくない

・事件や事故、被災や死別など大きなストレスがかかる出来事があった後

などの状況は負荷がかかっている可能性大なので、注意が必要です。その時点で受診したり、カウンセリングに申し込むことも良いでしょう。

【質問5】友人、家族が精神疾患になった時、どのように接すればいいの?

「自分の常識を取っ払う」ことが重要です。

例えば、自分にできていることを相手ができなかったら、「なぜできないの?」「もっと頑張らなきゃ」と声をかけたくなるかもしれません。それも励まそうという一心からだと思います。

でもそれは、自分ができるからこそ出てくる言葉です。声をかけるとしたら、

・「今はそれで良いんだよ、それ(休息)が必要なんだよ」

・「どういうやり方ならできそうかな?」

など、自分の軸に合わせず、相手の見ている世界を見ようとすることが重要です。そうすると、自ずと互いに無理のない関わり方が見えてくるはずです。実はこれは、メンタルの不調に関わらず、どんな関係性でも必要な視点でもありますよね。

もちろん、身近な人の変化に戸惑う気持ちがあっても当然です。周囲の人もまた、戸惑いやストレスを自覚し、それを誰かに話したり気分転換したりして、ストレスを発散できると良いでしょう。

なお、周囲の人間が誰かに話す場合は倫理的な問題をはらむこともあるので、状況を既に知っている他者、あるいは完全な第三者(専門家など)が望ましいでしょう。

臨床心理士 Haru

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