“感情”を味方につける|穏やかな生活を送るヒント

目次

感情とは?感情って厄介な存在だと思ってた!

感情とは、生物が主観的に感じ取る心の動きのことを指します。悲しみ、喜び、怒り、愛おしさ、恐怖、嫉妬、恥などがそれにあたります。

いつも冷静でいようと努めているあなた、「感情的になってはいけない」と自らに言い聞かせていませんか。

あるいは、怒りをぶちまけた後、「どうして私は感情をコントロールできないんだろう…」と自らを責めているかもしれません。

このように、“感情”は一見厄介なものに思われがちです。

でも本当は、感情は心身の健康をもたらす、論理的かつ役立つ存在なのです。

適切な感情が適切な結果をもたらす

感情は、生物が生命を維持するために必要な思考や行動をもたらしてくれます。

たとえば、目の前にお腹を空かせたライオンがいたらどうでしょう。

ここで恐怖を感じることができれば、「逃げなきゃ!」という適応的な思考が生まれ、逃げるための適応的な行動に繋がるのです。

しかし、最初に沸いてきた恐怖に覆いかぶさるようにして「人前で怖がるのは恥ずかしいことだ」「もう絶対助からない!絶望だ!」ということで頭がいっぱいになってしまったら、適切な行動に繋がりません。ただただ震えて、食べられるのを待つだけになってしまいますね。

先の例で言うと、
「感情的になってはいけない」と自分を抑えつけるあまり、上司や家族に振り回され、ストレスが蓄積し、心身のバランスを崩してしまうかもしれません。

あるいは、ケンカした恋人に対して怒っても怒っても状況は改善せず、関係が悪化してしまうこともあるでしょう。

“本当の感情”は何か自分に問いかけてみて

こうした事態を打開するには、「最初に発生した率直な感情」は何か、自分に問いかけてみることが大切です。友人との何気ない会話でも、「その時の率直な気持ちはどんなだったの?」と聞くと、“目からウロコ”な発見がよくあります。

感情を抑えつけるより先に、上司や家族に対して「どうして自分だけいつも大変な仕事を押し付けられているんだ」と怒りを覚えたかもしれません。その怒りはもっともでしょう。

その怒りに気付いたら、自分がどうしたいのかを考え、そのための策を練ることができます(余暇が欲しいからスケジュールを調整する、仕事量を減らしたいから信頼できる先輩にまずは相談してみる、などなど…)。怒りを我慢し続けいつか爆発してしまうより、ずっとずっと健康的です。

ケンカした恋人に対するイライラより前に、「楽しみにしていた約束を果たしてもらえなくて悲しかった」という気持ちが湧いていたかもしれません。その悲しみももっともです。

それに気付いたら、どのように悲しかったのか、これからどうして欲しいかを伝えることができます(「あなたのことが大好きだからこそ悲しかった。次からは余裕をもってデートの計画を立てよう」などなど…)。相手を傷つける言葉を投げ続けるより、自分の愛情とそれゆえの傷つきを率直に伝えた方が、お互いハッピーになれますね。

私たちの本当の気持ちは、ついついスルーされがちです。でもそこにこそ、より穏やかで無理のない生活のヒントが隠されているのです。

上手くいかない時、「本当は何を感じているの?」と自分に問いかけてみるのはいかがでしょうか。

臨床心理士 Haru

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる