適量飲酒とは?お酒と上手に付き合うコツ

みなさんは、お酒が好きですか?

仕事終わりの一杯や友人との楽しい飲み会で飲むお酒は格別ですよね。
私もお酒が大好きですが…お酒は飲み方を間違えると心身に悪影響を与えてしまいます。

仕事や人間関係で溜まったストレスをついついお酒で解消していませんか?
今回は、アルコールとの上手な付き合い方についてお伝えしたいと思います。

目次

お酒との上手な付き合い方

適量を守る

一番重要なポイントは適量を守ることです。
では「適量」とは、どれくらいの量のことをいうのでしょうか?

厚生労働省が発表している「健康日本21」によると、
「適量飲酒量」=「純アルコールで1日平均20グラム程度」とされています。

この数値は日本人や欧米人を対象にした大規模な疫学研究から、アルコール消費量と総死亡率の関係を検討し、算出されたものです。
飲酒量と健康リスクの詳細はこちら

【1日の適量飲酒量(純アルコール量20g程度)の目安】

ビール(5%): 中瓶1本、ロング缶1缶(500ml)
チューハイ(7%): レギュラー缶1缶(350ml)
日本酒(15%): 1合(180ml)
焼酎(25%): ロック1杯(100ml)
ウイスキー(40%): ダブル1杯(60ml)
ワイン(12%): グラス2杯(200ml)
(参考)「健康日本21」(厚生労働省)

適量飲酒量を超えると、飲んだ分だけ健康リスクが高まります。上記を参考に、適量飲酒を心がけてくださいね。

なお、アルコールの代謝能力は個人差があります。一般的に、①女性は男性よりも少ない量、②65歳以上の高齢者は若い人より少ない量、③少量の飲酒で顔が赤くなる等、アルコール代謝能力が低い人は通常の人よりも少ない量が適量であるとされています。

みんなと一緒に飲もう!

毎日の晩酌が習慣の人も多いと思います。しかし、一人でお酒を飲むと深酒になりがちです。仕事や人間関係などで大きなストレスを感じているときはなおさらです。

そのため、可能な限り、誰かとお話しながら楽しく飲むことが重要です。心が軽くなり、少量のお酒でもストレス発散効果を得られるでしょう。

週に2日休肝日をつくる

休肝日は週に2日以上とることが望ましいです。

毎日飲むとアルコールを分解する肝臓が休めず、肝機能が悪化する恐れがあります。また、毎日の飲酒は依存症のリスクを高めてしまいます。休肝日をもうけ、アルコールと適度な距離を保ちましょう。

「毎日の晩酌が一日の楽しみ」という人も、まずは今週、休肝日をつくってみてください! 

寝酒をしない

寝酒は、寝つきは良くなるかもしれませんが、睡眠の質を低下させます。睡眠が浅くなり、途中で目覚めたり、疲労回復が十分にできなくなります。

また、寝酒が習慣化すると、飲酒量が徐々に増えると言われています。

適切な食事と一緒に

飲酒前

飲酒前は、アルコールの吸収を抑える食材を摂取しておきましょう!

意外かもしれませんが、「油」が含まれた料理がおすすめです。
摂取したアルコールの5%は胃で吸収されますが、残りは小腸から吸収されます。悪酔いを防ぐためには、アルコールが小腸に届いて吸収されるまでのスピードを遅くする必要があります。油分によって胃の粘膜を保護することで、吸収が穏やかになり、身体への負担が軽減できます。

【おすすめの食材】
油分を使用した料理
(油分で胃の粘膜保護)
例えば、オリーブオイルをかけたカルパッチョ、唐揚げ、マヨネーズを使ったポテトサラダなどが効果的です。

チーズやナッツ類、青魚
いきなり、脂っこいものは…という人におすすめです。

キャベツ
(ビタミンUで粘膜保護)
キャベツなどに含まれるビタミンUには、粘膜を保護する作用があります。お通しでキャベツが出てきたら、たくさん食べておきましょう。熱に弱いので、生のまま食べることが重要です。

飲酒中

飲酒中は、アルコールを分解する肝臓の働きを助けるために、タンパク質や野菜を中心に食べましょう。

【おすすめの食材】
トマト
(血中のアルコール濃度を下げる)
トマトは、アルコールの代謝を促進させ、アルコールの吸収が穏やかになり悪酔いを防ぐだけでなく、アルコールが体内から消失する時間を早めてくれます。

枝豆
(タンパク質やビタミン豊富)
枝豆は、タンパク質や食物繊維、ビタミンが含まれていることから、理想的なおつまみだと言われています。ただし塩加減に注意して、塩分の摂り過ぎには注意しましょう。

イカ、タコ、しじみ、牡蠣、ホタテ
(タウリン豊富)
イカやタコ、しじみ、牡蠣、ホタテなどに含まれるタウリンは、肝臓を飲酒によるダメージから守ってくれます。お刺身やスープまで飲める汁物にするのがおすすめです。


(脱水を防ぐ)
飲酒中に水を飲むことも重要です。脱水を防ぎ、アルコールの代謝をスムーズにするためにも、意識して摂取しましょう。次の日にアルコールを残さないために大切です。

飲酒後

飲酒後は、①アルコールの利尿作用によって失われる水分やミネラル、②アルコール分解による低血糖症を防止するために果糖を補給することが大切です。

【おすすめの食材】

(水分補給)
飲酒中と同じく、飲酒後も水分が大切です。
体内のアルコールを薄め、アルコールの利尿作用によって失われた水分を補うために、飲酒後と寝る前は特に、水分を摂りましょう。

スポーツドリンク
(水分・ミネラル・果糖を同時に)
スポーツドリンクは、排尿によって失われたミネラルを補ってくれるため、脱水対策に効果的です。そして、スポーツドリンクに含まれる果糖によって、アルコール分解による低血糖症も防いでくれます。低血糖症はだるさや頭痛、吐き気などの原因になるため注意が必要です。

柑橘系の果物やジュース
(果糖やビタミンC豊富)
柑橘系の果物を食べることもおすすめです。果物に含まれる果糖や、ビタミンCもアルコールの分解を助けます。グレープフルーツやみかんなど、柑橘系のジュースでも効果があります。

依存症は他人事じゃない!飲酒の健康リスク

お酒を飲むと、ストレスや不安が解消された感覚になると思います。これはアルコールが「GABA」という物質を活性化させることで、脳細胞の興奮が抑えられるからです。脳の活動が抑えられるため、ストレスや不安が解消された感覚になります。

しかし、身体がこの感覚に慣れ、飲酒量が徐々に増えると、アルコール依存症やうつ病の原因にもなります。
実際、多量飲酒者は、うつ病や、認知症などの心疾患を発症するリスクが高いです(うつ病のリスク:3.7倍、認知症のリスク:4.6倍、自殺リスク:3倍)。

アルコール依存症は、意志の弱い人がなると思われがちですが、そんなことはありません。誰にでもリスクはあり、一度発症すると、一生禁酒しなければなりません。

性格も変わってしまうため、これまでの良好な人間関係を保つことが困難になるため注意が必要です。

まとめ

アルコールは、飲み方次第では心身に悪影響を及ぼします。

ストレス解消のためには、①適量を②適切な食事と一緒に、③みんなと楽しく飲むことがポイントです。正しい飲み方を学んでアルコールと適度な距離を保ちながら、健康に楽しく過ごしましょう!

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