『精神科医が教える ストレスフリー超大全』に学ぶ、ストレスとうまく付き合う方法

本書は、ストレス社会を生きる全ての人におすすめです。本書の著者は留学経験もある精神科医です。そのため内容が濃く網羅性も高いので、他のストレス本を読んだことがある人にも役立つ内容が豊富ですよ。

目次

ストレスの意外な役割

あなたは、ストレスに対してどういう印象を持っていますか?

ストレスは悪いもの、ストレスが溜まると病気になるなど、ネガティブな印象を持っている人がほとんどだと思います。

では、ストレスはゼロにした方がいいのでしょうか?

意外にも答えは「いいえ」です。ストレスがゼロというのも問題があります。なぜなら、ストレスには重要な役割もあるからです。

適度なストレスは、脳の働きを活性化し、集中力を研ぎ澄まし、記憶力を高めます。

例えば、仕事で重要なプレゼンがあるとしましょう。多くの人は、「人前で話すの嫌だな。」「失敗したらどうしよう。」「準備間に合うかな。」など、プレッシャーからストレスを感じるはずです。

しかし、こうしたストレスのおかげで、危機感から念入りにプレゼンの準備や練習に努めることができます。この過程で自分のプレゼン能力や時間管理等の仕事のスキルを向上させることができるのです。このようにストレスには、自分の成長を促す効果があります。

それに対して、過剰なストレスを感じ続けることは危険です。過剰なストレスは体調不良やうつ病などの精神疾患の原因になる恐れがあります。

本書では、過剰なストレスを溜めないポイントとして以下の2点を挙げています。
① 寝ているときにストレスがない状態になっていること
② 次の日にストレスや疲れが持ち越されていないこと

ストレスフリーな人とは、ストレスがゼロの人のことではなく、日中は仕事や学校、人間関係などでストレスがあったとしても、夜の過ごし方や睡眠で次の日にストレスを溜めない人のことを言います。つまり、ストレスとうまく付き合い、コントロールできる人のことです。

ストレスの感じ方の違い

働き方改革が進められている中、ブラック企業がニュースで話題になっていますよね。当然、長時間労働やパワハラなどの問題があるブラック企業は社会からなくなるべきです。しかし、同じブラック企業で働いていても、うつ病になってしまう人とならない人がいます。その違いについて考えてみましょう!

同様の環境にいたとしても、ストレスというのは人によって感じ方に差があります。このストレスの感じ方はストレスをスルーする力と言い換えてもいいかもしれません。

よく真面目な人ほど、うつ病になりやすいと言われますが、これは真面目な人は、ストレスをスルーする力が弱いからです。ストレスをスルーする力を身につけることで、悪いストレスとうまく付き合うことが重要であると本書では述べられています。

自分に合ったストレス対処法の見つけ方

ストレスや悩みがある場合、自分に合った対処法や解決策を知ることが重要です。4つのステップで進めていきましょう。

①まず、ストレスの原因や悩みを紙に書き出します。

②次に書き出した悩みの対処法を自分で調べます。もし自分で調べても対処法がわからない場合は、誰かに相談したり、カウンセリングを受けて対処法を見つけます。

③対処法が見つかったら、その対処法を実践してみます。

④そして、一週間ごとに効果があったか振り返り、効果があったものは継続し、効果が無かった場合は他の対処法を考え実践し振り返るという作業を繰り返します。

これらの4つのステップで自分に合ったストレス対処法を見つけてみてください。

本書の特徴

本書では、上記のストレスや悩みに関する基本的な考え方だけでなく、ストレスについて、人間関係・プライべート・仕事・健康・メンタル・生き方など様々な切り口で解説されています。

自分のストレスの種類に合わせて本書の該当箇所を読むだけでも十分効果があると思います。社会がめまぐるしく変化し、ストレスを抱えている人も多いと思います。

そういう人はぜひ本書を読んでみてください!

『精神科医が教える ストレスフリー超大全』
樺沢紫苑 ダイヤモンド社 (2020/7/2)

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