メンタル疾患に有効な認知行動療法とは?│概要から治療の進め方について学ぼう

今回は、私自身も適応障害になってしまい、心療内科でカウンセラーと共に実践している、「認知行動療法」の概要と治療の進め方についてご紹介したいと思います。

ただ、私は心理学の専門的な教育を受けていませんし、もちろんカウンセリングのプロでもありません。ですので、あくまで一人の「患者」として、日々仕事や私生活で感じるストレスをどうすれば、うまく処理していけるかについて、自らの体験や実践を通じて分かりやすく伝えていければと思っています。

最近こんな気持ちになっている人に読んでもらいたい記事になっています。

・ものごとをネガティブに考えて、すぐに落ち込んでしまう。

・自分に自信が持てず、行動を起せない。

・今まで楽しめていたものにも興味が持てず、何もする気になれなくなった。

・集中力が落ちた、簡単なことでも判断するのが難しくなった。

・人前で話したり発表したりすることが非常に苦痛で、その機会を避けてしまう。

・不必要だと分かっていても同じ行動を繰り返してしまい、多くの時間を費やしてしまう。

・電車に乗ると動悸やめまい、呼吸困難などを起こしてしまうため行動範囲が狭くなった。

目次

認知行動療法とは?

認知行動療法とは、認知(「現実の受け取り方」や「ものの見方」)に働きかけて、心のストレスを軽減していく治療法のことです。

近年日本でも注目されており、うつ病や双極性障害、パニック障害、強迫性障害など、様々な精神疾患の治療に有用です。英語では、Cognitive Behavioral Therapy(「CBT」)と呼ばれます。

また、認知行動療法は、「身につける」心理療法と言われています。
その理由は、症状や問題の解決を図るだけでなく、自分自身の対処能力や自助力を伸ばすことも目的としているためです。
認知行動療法は、再発の予防にも有効であることが実証されています。

認知行動療法の進め方

【認知行動療法の進め方】
1)現在の状態を把握する
2)問題点を整理する
3)認知行動療法で取り組む目標を決める
4)具体的な手段・技法の選択
5)具体的な手段・技法の実践
6)効果を確かめる
7)再発予防のための復習・計画
8)終結
9)フォローアップ

認知行動療法では、その人の悩みや苦痛を整理することから始めます。

同じ体験をしても、受け止め方によって感情や行動、身体の反応は異なります。
どのような「状況」に対して、自分がどのような反応をしているのか、①「考え」②「感情」③「行動」④「身体反応」の4つの側面から丁寧に把握していきます。

実際に認知行動療法を行う際には、相談者とカウンセラーが十分に相談し、その人のニーズに合った進め方で行います。そのため、初回のカウンセリングでは約90分間面談(インテーク面談)し、自身の生い立ち、過去から現在までの環境の変化、今何がツライのかなど、カウンセラーからの質問に沿って自分のことを共有します。

認知行動療法の特徴は「相談者とカウンセラーが協同で目標達成を目指す」ことです。
要望や疑問点などがあれば、積極的に自ら心を開いて率直にカウンセラーに伝えることが重要なポイントだと思います。

具体的な技法は?

具体的な取り組みとして、認知行動療法は心理学・ストレス科学に基づく技法をとっています

認知再構成法〜考え方の幅を広げる・バランスをとる〜

ある状況に対する自分の考え方・受け止め方が、自分の感情や行動をネガティブにしてしまうことがあります。
認知再構成法は、これに対処するアプローチです。

状況を客観的に捉え、自分を苦しくする「考え(思考の癖)」に気づき、バランスの取れた考え方を身に付ける練習をします。

問題解決法〜問題解決能力を高める〜

問題状況に応じて、解決に向けた具体的な計画を立てるスキルや、そのための考え方を身につける手法です。

「どうしたら良いかわからない状況」を取り組みやすい小さな課題に整理し、実際の対処法を探していきます。

リラクセーション法〜身体面からのアプローチ〜

不安や憂うつ、イライラを感じると、私たちの身体には様々な反応が起こります。
そして、この身体反応に対してさらに不安や憂うつな気分になるなど、悪循環が生まれることもあります。
こうした反応が慢性的になると、肩こりや頭痛、下痢など、様々な”症状”が生じやすくなってしまいます。

認知行動療法では、自律神経のバランスを整え、過度な緊張を和らげるために、身体面からのアプローチも導入します。
カウンセラーと一緒に、自律訓練法や呼吸法などもしっかり練習していきます。

まとめ

いかがだったでしょうか。カウンセラーが伴走しながら、私たち相談者と一緒に自分を苦しめる思考の癖を把握し、偏った考え方にならないようにトレーニングしていきます。この考え方は普段の生活にも役立ちますし、是非とも身につけたい技法ですね!

短期間では今まで蓄積してきた過去からの自分の自動的に考えてしまう思考を、すぐに治すのは難しいです。修得に平均1〜1年半かかると言われている認知行動療法ですが、カウンセラーが伴走してくれるので、途中で諦めずに、進めていくことができます。
私もまだ習得の途中ですが、着実に一歩一歩前に進んでいる実感があります。

今回は認知行動療法のざっくりとした概要の説明になりましたが、メンタル疾患には薬に頼らずに自分の考え方を正しくするという治療法があるということをこの記事を通して知ってもらえれば嬉しいです。

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