HSPとは?HSP(”繊細さん”)の具体的な特徴と上手な付き合い方

あなたは『HSP』という言葉を聞いたことがありますか?

最近では”繊細さん”という言葉でも有名になっていますね。HSPは、環境変化や人の感情を察する力が高かったり、感受性が豊かだったりします。強みでもありますが、HSPの人は日常生活でストレスを感じることが多いです。今回のコロナウイルスの不安感で、落ち込んでしまった人も多いのではないでしょうか。

しかし、この気質を理解すれば、上手く対処することができます。

今回は、HSPの特徴とストレスを軽減するために大切なことをお伝えします。

目次

HSPとは?

HSP(Highly Sensitive Person)とは、環境感受性の高い人、つまり周囲の変化などに敏感な人のことを指します。

エレイン・アーロン博士が提唱したこの「HSP」は病気でもなく、その人の”気質”なので、治すべきものではありません。また、うつ病などの精神疾患と間違う人も多いですが、後天的な疾患とは異なり、HSP は先天的なものです。最近ではHSPを”繊細さん”と表すことも多く、個性として上手く付き合っていくことが望ましいです。

HSPが他の人とどう違うのか気になりますよね。HSPの人は、不安や怖さを感じる偏桃体という脳の一部の活動が活発であるといわれています。研究によると、偏桃体の働きには個人差があり、この部分の働きが活発な人が、環境変化に敏感で、ストレスを感じやすいようです。

実は、5人に1人がHSPであるといわれています。このHSPという気質が広く認知されるようになり、なんとなく感じていた生きづらさに名称がつき「安心した」人が多いです。

あなたはどう?HSPの性質・具体的な特徴

エレイン・アーロン博士が示す、HSPの性質は以下の4つです。

【HSPの性質】
① 深く考える
② 過剰に刺激を受けやすい
③ 共感力が高く感情の反応が強い
④ ささいな刺激を察知する

全てに当てはまっていなくても、少しでも当てはまる項目があれば、そういう傾向があるんだなと受け入れてみてください。

次に、HSPの具体的な特徴を「日本版HSP尺度」を参考にして、いくつかご紹介します。

人の多い場所が苦手

人混み=情報量の多い場所でもあります。たくさんの人の動きや音などを、HSPの人は敏感に感じとってしまい、人酔いしたり疲れてしまいます。

周りの人の感情に自分も左右される

HSPの人は、周囲の影響を受けやすく、周りの人の感情に自分の感情も左右されやすいです。

例えば、自分が怒られている訳ではないのに、周りに怒っている人がいると自分も落ち込んでしまいます。また、ネガティブなニュースを聞くと自分も暗くなってしまうため、ニュース番組が苦手な人もいます。

眩しく強い光・大きな音が苦手

HSPの人は、強い光や騒音などに対して不快感を強く感じる傾向があります。例えば、ずっと明るい場所にいると暗い部屋で落ち着きたくなります。

また、感受性が強いので香りなどにも敏感で、香水などの強い香りが苦手な人も多いです。

親しい友達でも気疲れする

相手の表情や感情を気にしてしまいがちなHSPの人は、相手に与える自分の印象にも気を遣います。楽しく過ごしていても、無意識に気を遣い疲れてしまいます。大人数で遊ぶよりも、少人数で遊ぶ方が気が楽だと感じる人も多いようです。

物事を深く、慎重に考える

小さな情報から考えを深めるのもHSPの人の特徴です。一つの物事に対して、見方を変えたり、徹底的に調べたりして、決断を慎重に下すことが多いです。

他にも…

・感受性が強く、感動しやすい
・ビクッとなりやすい、驚きやすい
・直感や予感が当たりやすい
・カフェインや添加物などに身体が反応しやすい

などの特徴があります。自分がHSPか気になる人は多くのチェックリストがありますので、調べてみてください。

HSPの強みに自信を持とう!

HSPは精神疾患などの病気とは違います。ストレスを感じやすいという特徴がありますが、長所として捉えるべき部分もあります。

HSPの人は

・周囲の変化によく気づき、気配り上手
・察する力に長け、優しい
・計画的で、時間に正確
・感受性が豊か

などの強みがあります。相手の気持ちがわかるので、適切な言葉をかけることができ人に好かれやすいです。また、心配性で不安を感じやすいからこそ、慎重に計画し行動するため、成果をあげる確率が高いです。

接客業など初対面の人と接することが多い仕事やノルマが厳しい営業職は、ストレスを感じやすいHSPの人には不向きかもしれません。

一方で、人や動物と向きあう仕事、例えば医療系や教育系などは強みを生かせるため、HSPの人に向いていると言われてます。正確性や創造力が求められる仕事も同様です。実際に、有名な小説家やクリエイターの中には、HSPの人もいるようです。

HSPとの上手な付き合い方|無理しないために大切な3つのこと

(1) HSPの性質を理解し、気にしすぎない!時には逃げる!

まず、自分にHSPの特徴が少しでもあると感じたら、HSPについてしっかり理解することが大切です。

例えば私自身、HSPのチェックリストに全て当てはまる訳ではありません。しかし、思い当たる部分もあるので、この気質が少しあると理解しています。そんな私は、心が弱っている時、不安に駆られるニュースをテレビで見ると、自分に関係ないことでもひどく落ち込んでしまいます。そのため、自分の状態によってはニュース番組をあまり見ないようにしています。しかし私の場合、活字ならネガティブなニュースでもストレスを感じにくいので、ネットでニュースをチェックしていまます。

このように、自分がHSPであることを受け入れられていれば、「気にし過ぎかな」「ストレス環境から逃げちゃおう」など、対処することができます。

(2) 完璧主義をやめる

HSPの人は、完璧主義者が多いと言われています。これは他の人よりも多くのことに気づく特性によるものです。「一人で完璧に物事を行わなければ」という責任感は、自分を疲れさせてしまいます。周囲と共有したり、頼りながら、一人で抱え込みすぎないようにしましょう。

(3) 自分1人の時間・空間を確保する

友達が困っているときに気付いたり、相手に共感し相談にのることが得意なので、HSPの人は友達が多いです。

しかし、周囲と適度な距離を保つことも重要です。SNSで周囲の反応が気になってしまう場合は利用を控えてみたり、一人の時間を確保するなど、リラックスする時間を大切にしましょう。

「HSPである」と周囲に伝えるべき? 

自分にHSPの気質があるとわかったら周囲に伝えるべきでしょうか?

この点には、いろんな意見があります。
「私は繊細なの。だから優しくして!」というふうに受け取られることもあるからです。誰もが繊細な部分やストレスを抱えているので、あまりいい気がしない人もいるかもしれません。

そのため、HSPであることをもし伝えるなら家族や恋人、心を許している友人だけにしましょう。その他の人には、「私ひとりの時間が好きなんだよね」「人混み苦手だから、あそこのカフェでお茶しない?」など、自分が苦手なことを”性格”として伝えることを意識してみてください。

カウンセラーに話を聞いてもらう

これはHSPの人に限ったことではないですが、ストレスで疲れてしまったときは、カウンセリングを受けるのも有効です。

一言にカウンセリングといっても、精神科や心療内科、メンタルクリニックなど、様々です。カウンセリングと聞くと身構えてしまいがちですが、悩み相談をするような気持ちでいいそうです。気軽に利用してみてください。

まとめ

HSPの人は感受性が強いという特徴がありますが、これは気質の一つであり決して治すべき病気ではありません。

ただ、HSPの人は、敏感で、周りの人の気分に左右されやすく、落ち込みやすいなどの特徴があるため、生きづらさを感じることも多いです。HSPの特徴を理解して、周囲と適度な距離感を保つなど、上手に対処することでストレスを軽減しましょう。

周囲の変化や感情に気付きやすい点、計画的で正確な点などを自身の強みとして大切にしてくださいね!

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